トラブルメーカー

先日、何気なく店内の水槽のニシキゴイを見てました。
健康状態を確認するためにあえて見ることは毎日しますがその時は意味なくそっちを向いてました。
すると突然一匹のコイが飛び上がりふたの隙間を抜けて水槽の向こう側に落ちていきました。
えっ。と思いすぐに救出しました。
要するにもし僕が今見ていなければこのコイは確実に奥で死んでいたと言う事。
ほんの一瞬の出来事なので見てなければそれに気づく事はほぼ不可能でしょう。
良かったなー、お前。運が良くて。
そして実はこんな事がちょくちょくあるんです。
普段と違う動きでなぜかしゃがんだところの水槽の下の奥で飛び出したばかりの魚がもがいてたり。
下段の水槽の掃除をしてたら後頭部に何かがぱさっと乗っかり、それが上段から飛び出してきた魚だったり。
小型の魚が飛び出した場合おそらく1分も過ぎると復活できないと思います。
呼ばれたのかわからないけど、ホント奇跡のタイミングなんです。
お前ら俺のおかげで命拾いしてよかったなー。ラッキーだったなー。
・・・違うか。僕が見てるから事故が起こったのか?
トラブルを呼ぶみたいな?
ま、そんな力はないか。
奇跡の瞬間に出会える力があるって位か。

久しぶりのトラック  連載2

浮ついた夏休みも終わり、いよいよ気合を入れてトラックドライバーへ転職です。
希望のタンクローリーのトレーラーです。
ガソリンスタンドにガソリンを納入するやつです。
偶然の出会いで就職することができました。
小笠原からの帰りの船内から見た東京ゲートブリッジがとても印象的で、その真下の工場にそれから毎日通うことになろうとはその時はまだ知りませんでした。
大型に乗るのは20年ぶり。トレーラーはそれ以上ぶりです。
さすがに忘れてるかと思いましたが、感覚はまるっきり健在でした。
操作性が多少進化してるなどはありますが、忘れてなかったです。
一度自転車に乗れれば一生乗れる、と同じです。
その後厳しい勤務形態にも慣れるのです。
人間ってつくづく強いなと思います。

いずれはまた戻る。これは仮の姿だ。
という心を隠しながら久しぶりの会社員を満喫しました。
多少の罪悪感はありましたが、それはそれ。
今はここの社員だし、仕事はウソ無くまじめに取り組みました。
いろんなことがありました。
目標は無事故で終わること。
最初は2年の予定でした。
仕事は楽しく充実していたので2年はあっという間でした。
そこでもう一年延長することにしました。
ここでやめたらまた未練が残る。
もう一年満足するまでやろうと。
そしてそれもあっという間に過ぎ3年目の春、半年後の開店に向けていよいよ動き出すのです。
実際にはそこからさらに1年半かかることになるんですが・・・つづく。


悟りのリクガメ

また楽しいのが入荷しました。
特大のケヅメリクカメです。
甲長60cm。
大体今まで見てきた中で最大です。
普通、飼育だと45㎝位で止まるんです。
そして大体甲羅がデコボコに育ちます。
しかし今回の子はすごくきれいな甲羅をしてます。
まるで野生育ちのような。
重さは4~50キロでしょうか。
待ち上げるだけでやっとです。
天気の良い日は外を歩かせてます。
重くて持てないんで箱に台車で移動します。
なので移動中、景色は見えてないはずなんですがひとしきり散歩すると帰ってきます。
大周りでスロープを上がって店内まで帰って来るんです。
どうしてこっちが家か判るのか、まっしぐらに帰って来るんです。
要するに亀ってすごく頭がいいんです。
特に地形の位置とかの空間認知がすごいんです。
もはやGPSが利いてるとしか思えません。
まあ地を這う専門の生き物なので本当にその能力はあるのかもしれません。
映画とか物語の中でもカメが何でも知ってる賢者のような存在に描かれることは多いです。
あの瞳を見ているとすべて解っているように見え・・・なくもないようなあるような。


マッコウクジラ採集記

あれは今から4年前です。
銚子の磯にマッコウクジラの最大級18mの死体が打ち上げられました。
その情報を聞きつけた僕は待ってましたとばかり見学に行きました。
18mってどんなものかと思ってましたが、なるほどこんな感じかと。
死因は謎です。シャチにやられたか、病気か、単なる老衰か。
まだ新鮮なそれは臭いもまだなくはっきりとした形でした。
言われているダイオウイカとの戦いで出来る吸盤の跡が本当にありました。
大海原のロマンを感じながら小一時間見学して帰りました。
しかし僕の目的はここで終わりではありません。
骨が欲しいんです。
その後の情報は入って来ないので想像するしかありません。
どれ位で骨になるのか。それともどっか行っちゃうのか。
行政に処分されちゃうのか。腐った姿は見たくないし。
約半年後イチかバチか見に行ってみました。
季節外れのその海は人影は全くなく寂しい限りです。
そしてクジラは跡形もなく消えてました。
どうやって腐って消えたかは想像を絶するものでしょう。
ちょっと遅かったか。確かにここにあったんだよな。
この波で消えちゃうんだなーと、また小一時間海を眺めていました。
すると、おや?不自然な岩が。これは・・・岩じゃない!
ギリギリ持てる大き目の骨を2つゲット。ちなみにあったのは全部で3つ。
どこの骨かはわかりませんが、どこかの骨としてもその大きさが感じられます。
店内にオブジェとして飾ってありますので、ぜひ拝みに来てください。


海釣りに行きました。

先日久しぶりに海釣りに行ってきました。
釣りはよく行くんですが、淡水専門で海はアウェイです。
時間やお金を考えても気軽には行けないので毎回初めてみたいなもんです。
毎回違うポイントに行き、狙う魚種も時期も釣り方も違う。
そして何しろ海の難しいところは潮の満ち引きが重要なところです。
日によって違う潮に合わせて向かわないと釣果が全く変わってきます。
そんな訳で海釣りは別物です。
今回も何でもいいから何か釣りたいので手堅くサビキ釣りです。
結果は大漁。これこそ爆釣と言うもんです。
釣り場に着いて何人かの釣り人がすでに釣り上げていたので、急いでそのまま始めました。
仕掛けを作って餌の準備をしてるうちにもう釣れました。
餌なくても釣れるくらいです。
湾内に群れが居座っていたのでその後もずっと釣れ続けました。
ちなみにマイワシです。
アジの方がもっと嬉しいですが20cmほどの良型なので良い方です。
久しぶりに何匹も連なって釣れる光景を見ました。
釣るのは楽しいですが無駄にしてはかわいそうなので断腸の思いで途中でやめました。
釣った魚は無駄にしないのがポリシーなので食べます。
これが大変だった。永遠とさばき続け刺身で皆で食べました。
もちろんおいしかったです。
何かと疲れましたが、やはり釣りは最高のストレス解消です。

水草との縁

お店の水草水槽の中にひと際大きい水草が植わってます。
エキノドルス・ルビンという種類です。
適度に間引いて抑えてますが本来は相当立派です。
この水草、何と約20年物になります。
前の店の初期からの付き合いです。
5年前の閉店の時、常連さんに譲りました。
店の歴史とともに縁も切れ寂しさもありましたが、これも定めと割り切りました。
その後開店の折、そのお客さんが安堵するように持ち込んできました。
どうやら意外にも責任を感じ大事に育ててくれたらしいんです。
再開までは枯らす訳にいかないと。
もちろん僕もそんなつもりで譲ったわけじゃなかったんですが、
申し訳なかったし、有難いし。
昔からのお客さんとの再会もうれしいですが、まさかこんな再開もあるとは。
こうなるとこちらとしても大事にしないわけにはいきません。
これからも店の御神木(草)として見守ってもらいましょう。

不思議な嫌がらせ

先日、開店のため店に行くと違和感を感じました。
店の前がなんか荒れてる?
ほてい草の葉っぱが落ちてて、植木鉢が倒れてて。
いや!よく見ると観葉植物がばらばらにされ、葉っぱがむしられ。
そしてなぜかメダカのおけの中にその葉っぱが一面に浮かんでるんです。
しばらく意味が分からなくて呆然としちゃいました。
誰かのいたずらかいやがらせか?にしても意味が解らない。
これだけやったにしても、靴の足跡もないし。
結果どうやら鳥がやったみたいです。
確かに来た時にセキレイ(ハクセキレイ?)が飛んで行ったんです。
いつも見たことがなかったのに。
セキレイって野鳥にしては好奇心が高く遊び好きな鳥なんです。
以前ガソリンスタンドで作業中、なぜかスタンドにはほぼ確実にセキレイが住み着いているんですが、
車のバックミラーで自分を映して遊んでたり、こちらが気になるのかずいぶん近くまで近寄ってきたり、そんな行動をする鳥です。
良い感じに育ってた多肉植物をバラバラにして一つづつメダカの中に浮かべると言う。
しかもざっと100往復はしてます。
目的は無し。遊びとしか思えません。
せっせと張り切ってやったんでしょう。
犯人は分かったにしても、意味は解らないままです。
まあ、動物がやったことならしょうがない・か・・・?

向かいの川の様子

当店の前に小さい川が流れています。
川沿いの店が憧れだったので夢が叶いました。
道を挟んでいますが、まあそこはいいでしょう。
その川の向こうは清水公園でとにかくこのロケーションが気に入っています。
欲を言えばもっと水がきれいならなーと思います。
夏以外はまあまあきれいです。
そして何気に生き物がたくさんいます。
水がきれいな冬にはツヤツヤのボラが群れてます。
春にはカルガモの子育てが見られます。
夏は濁った水面近くに江戸川から上がってきたメートル級のハクレンがなぜか大量に漂ってます。
夏のボラは皆、具合が悪そうです(これが本来のボラのイメージ)。
コイ、フナ、小魚、カメは一年中います。
きれいな川にしかいないと言われるカワセミも住み着いてます。
まあしかし僕の経験では、カワセミは意外とどこでもいます。
タヌキの痕跡もありますし、フクロウの声も聞きました。
水のきれいさとは見た目だけじゃないんでしょうね。
魚にはこれ位がいいんでしょうか。

45歳真夏の大冒険 連載1

毎日暑いです。
この暑さを感じると5年前の休業閉店時を思い出します。
ちょうど今頃の夏休み前に閉店しました。
最終日にはまるでドラマの最終回のように今までのお客さんや知り合いが続々とあいさつに来てくれました。
魚も水槽も什器さえも全部きれいに売り切り、もちろん借金もなく、良い人たちに恵まれなんて幸せな終わりだろうと仕事冥利に尽きたものです。
その日の夜は気分とは裏腹に今まで経験したことのない強烈な足のつりがありました。
それもいい思い出ですが、全力の硬直が10分ほども続き足がちぎれるかと思いました。
閉店後、まず一番の大仕事が130cmのピラルクを水族館に輸送プロジェクトです。
良い個体なので水族館に営業をかけて成立したんです。
しかも輸送もやるという条件で。
ピラルクの輸送はとても難しく業者でも苦労します。
一応僕も元魚の輸送屋です。画期的な方法を実行し、そして成功しました。
とても良い経験をさせてもらいました。
その後も猛暑の中何度もシャワーを浴びながら店の後片づけをし、そして本当のエンディングを迎えるのでした。
水槽のあった場所と歩いた部分がコンクリートにくっきり跡が残っていて涙もんでした。

その後、あえて次の仕事も決めないまま2ヶ月無職を楽しもうと思い、これがまたこの歳にして最高の青春のような思い出です。
その中でも一番のイベントが小笠原に行ったことです。
経営中はどうしても行けなかったのですが、今こそ行こうと。
しかもしがらみのない無職の状態の今こそ。
小笠原は船でしか行けないため最低でも一週間必要なんです。
家族を連れての大冒険でした。
小笠原丸が出港する時大きな汽笛を鳴らすんです。
それが自分の今の状態にはまりすぎて感動しました。
ドキドキとワクワク。これからどうなるのか。まさに船出。
小笠原旅行で一番思い出深いのは何気にこの時です。
そして旅を終え東京湾に戻ってきた時も、「さーて、頑張らなくちゃなー。大丈夫かなー」と、レーシングカーのアイドリング状態みたいな気分でした。
そして就職し新しい生活が始まります。
続く・・・。

休業中の4年間の出来事を時々連載していこうと思います。
独りよがりですが少し付き合ってください。

イヌザメ騒動

当店で以前から在庫してるイヌザメの卵があります。
来店して実際に見た方はその不思議な姿に驚いたと思います。
これが本来は海底に産み付けられているわけです。
実際に孵化して出てくるには2ヶ月ほどかかります。
中の稚魚の動く姿が、かすかに透けて見えてとても神秘的です。
先日、いつも元気に動いてる稚魚が動いてないんです。
透かして動かしてよーく見ても動きません。
あれ、死んじゃったのかな?って、死ぬわけないんだけど。
でも動かないから、死んじゃったんだと思いしょうがなくはさみで切って出しました。
と思ったら、動き出して生きてました。
生きてんじゃん!って。
戻したいけどそうもいかず、隔離のケースに入れて水槽に戻しました。
元々これで行けるのもわかってたんですけどね。
でもやっぱり本来のままで展示しときたいですもん。
今は良く見える透明なケースの中で前より元気に動いてます。
広いし良く見えるし大丈夫みたいです。
ただ神秘的感はだいぶ無くなりましたが。