前の店の閉店時のピラルク輸送についてお話ししたいと思います。
前の店にはコンクリート製で前面に分厚いアクリルをはめた特大水槽がありました。
半端な大水槽では嫌なので、水族館を意識しました。
水量3トンです。
小さな個人店でこんなのがあるのは他にないと思います。
そして男のロマン、憧れのピラルクを入れるのが目的でした。
130cmのモンスターでしたが実際はまだ子供です。
閉店にあたってこの子の行く末が一番問題でした。
良い個体なのでこっちから水族館に売りかけるという挑戦。
タイミングよく話が進み、輸送が決まりました。
そして輸送成功が支払いの条件でした。
このサイズのピラルクの輸送は業者レベルです。
活魚トラックが必要ですが、もちろんそんな物はありません。
考えた結果、丈夫なネットに入れ水を少し張り・・・と画期的な作戦を思いつきました。
それを自家用のミニバンで。
行先はピラルクで有名な栃木県のなかがわ水遊園です。
ここに搬入できるというのはこちらとしても名誉なことです。
約100キロの長旅です。
朝7時に約束したので深夜3時出発です。
前の日から3時間程かけて水を抜いておき胴長を履いて直接捕まえます。
暴れさせないよう静かに捕獲して何とか積み込み完了。
車内でも暴れたら大ごとなのでゆっくりゆっくり行きます。
水を揺らさない運転って意外と難しいんです。
そして予定通り到着。
飼育員数名が準備していました。
ここからはお任せで無事に任務完了しました。
いちアクアショップでありながらこんな大型施設とやり取り出来たことが本当に名誉でした。
15年のご褒美として仕事冥利に尽きる経験でした。