久しぶりのトラック  連載2

浮ついた夏休みも終わり、いよいよ気合を入れてトラックドライバーへ転職です。
希望のタンクローリーのトレーラーです。
ガソリンスタンドにガソリンを納入するやつです。
偶然の出会いで就職することができました。
小笠原からの帰りの船内から見た東京ゲートブリッジがとても印象的で、その真下の工場にそれから毎日通うことになろうとはその時はまだ知りませんでした。
大型に乗るのは20年ぶり。トレーラーはそれ以上ぶりです。
さすがに忘れてるかと思いましたが、感覚はまるっきり健在でした。
操作性が多少進化してるなどはありますが、忘れてなかったです。
一度自転車に乗れれば一生乗れる、と同じです。
その後厳しい勤務形態にも慣れるのです。
人間ってつくづく強いなと思います。

いずれはまた戻る。これは仮の姿だ。
という心を隠しながら久しぶりの会社員を満喫しました。
多少の罪悪感はありましたが、それはそれ。
今はここの社員だし、仕事はウソ無くまじめに取り組みました。
いろんなことがありました。
目標は無事故で終わること。
最初は2年の予定でした。
仕事は楽しく充実していたので2年はあっという間でした。
そこでもう一年延長することにしました。
ここでやめたらまた未練が残る。
もう一年満足するまでやろうと。
そしてそれもあっという間に過ぎ3年目の春、半年後の開店に向けていよいよ動き出すのです。
実際にはそこからさらに1年半かかることになるんですが・・・つづく。